虫歯の抜歯が必要なケースとは?抜歯しないリスクや費用、抜歯後の治療法

2024年11月06日(水)

こんにちは。東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」です。

虫歯を抜歯している様子

虫歯を治療するうえで抜歯が必要となるケースがあります。抜歯が必要な状態であるにも関わらず放置する方がいるかもしれませんが、抜歯をしないと様々なリスクが伴います。

その一方で、抜歯をすることにもリスクがあるため、慎重に検討することが重要です。

本記事では、虫歯治療で抜歯が必要なケースや抜歯をせずに放置するリスクについて詳しく解説します。抜歯の費用や抜歯後の注意点についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

虫歯の抜歯が必要なケース

抜歯が必要な虫歯が歯根まで達した状態イメージ

虫歯の治療法は進行度によって異なりますが、歯を抜かずに治療できるケースが多いです。虫歯で抜歯をしなければならないのは、虫歯がかなり進行しているケースで、C4と呼ばれる状態の虫歯です。次に抜歯を必要とするケースを詳しく見ていきましょう。

虫歯が歯根まで達した状態

虫歯が歯根にまで進行している場合には抜歯が必要となるケースがほとんどです。この状態にまで虫歯が進行すると、神経も壊死し、痛みを感じることがなくなります。「痛みがないのであれば抜歯しなくてもよいのでは?」と考える方もいるでしょう。

しかし、抜歯をしないと歯の根の先に膿が溜まって再び痛むようになったり顎が腫れたりする可能性があるのです。

根管治療をしても改善が見込めない場合

抜歯の対象となるC4の1つ手前のC3の状態でも、場合によっては抜歯が必要になるケースがあります。C3とは、虫歯が神経に達している状態です。

虫歯が神経にまで達している場合には、根管治療を行います。根管治療とは、歯の内部の神経や血管を取り除き、洗浄・消毒してきれいにする治療です。

しかし、根管治療をしても改善が見込めない場合には抜歯が必要となるケースがあります。

虫歯の抜歯をするリスク

虫歯の抜歯をして血圧が上昇した人

抜歯をすることで、虫歯の感染源を取り除くことができるため、痛みや炎症を抑えることができます。

その一方で、抜歯にはリスクも伴います。虫歯の抜歯をすることによるリスクは、次の通りです。

ショック症状を起こす可能性がある

抜歯をするときは、痛みを最小限にするために麻酔を使いますが、この麻酔によってショック症状を起こす可能性があります。具体的には、冷や汗や吐気、血圧低下、意識の消失などといった症状です。

まれではありますが、麻酔の成分によってアナフィラキシーショックを起こす方もいるでしょう。

血圧が上昇する可能性がある

抜歯の際に使用する麻酔薬の中に含まれる成分や過度なストレスによって血圧が上昇することもあります。高血圧の方の場合、血圧が上がると抜歯後に出血が止まりにくくなる可能性があるため注意しなければなりません。

上顎洞を損傷する可能性がある

抜歯をする過程で上顎洞を損傷する可能性があります。上顎洞とは、鼻の周囲に存在する副鼻腔(ふくびくう)と呼ばれる空洞の一つです。特に上の奥歯を抜歯する場合、上顎洞と抜歯をしたときにできる穴がつながることがあります。

穴が小さい場合には自然に治ることもありますが、大きい場合には手術が必要になることもあります。歯科医師からも説明があるかと思いますが、この点については念頭に置いておく必要があるでしょう。

抜歯が必要な虫歯を放置するリスクはある?

抜歯が必要な虫歯を放置して副鼻腔炎になったイメージ

上述したように、リスクがあるならば抜歯をしたくないと考える方もいるかもしれません。

しかし、抜歯が必要であるにも関わらず虫歯を放置することにもリスクがあります。抜歯が必要な虫歯を放置するリスクは、次の通りです。

副鼻腔炎や顎骨骨髄炎などを引き起こす可能性がある

抜歯が必要な虫歯を放置すると、歯の根の先にまで炎症が広がって、副鼻腔炎や顎骨骨髄炎を引き起こす可能性があります。副鼻腔炎とは、鼻の奥にある副鼻腔が炎症を起こす病気です。副鼻腔炎になると頭痛や鼻詰まりなどの症状が現れます。

顎骨骨髄炎とは、顎の骨が細菌感染を起こし、炎症を起こす病気です。顎骨骨髄炎になると顎に痛みが生じたり、歯茎から膿が出たりします。顔が腫れることもあるでしょう。

全身の健康に影響が出る可能性がある

抜歯が必要であるにも関わらず放置すると、虫歯菌が増殖し続けます。虫歯菌が血管に侵入して全身を巡ると、心筋梗塞や脳梗塞、敗血症などを引き起こす可能性が高まるといわれているのです。

お口の中の健康だけでなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があるため、歯科医師から抜歯が必要と判断されたときには放置してはいけないのです。

虫歯の抜歯にかかる費用

虫歯の抜歯にかかる費用イメージ

虫歯の抜歯を検討する際には費用面も気になるかもしれません。虫歯の抜歯には保険が適用されます。抜歯する歯によって費用は異なりますが、3,000円〜7,000円程度が相場です。前歯よりも奥歯のほうが抜歯の難易度が上がるため、費用が高額になる傾向があります。

抜歯をしたらそのまま放置せずに、補綴治療をするケースがほとんどです。抜歯後の補綴治療については後述しますが、補綴治療にも費用がかかります。

虫歯を抜歯したあとの注意点

虫歯を抜歯したあとの注意点イメージ

虫歯の抜歯後は次のことに注意しましょう。

抜歯をした部分に刺激を与えない

抜歯した部分は非常にデリケートな状態になっており、刺激を与えると出血する可能性があります。また、刺激によって傷口が開くと細菌感染を起こすリスクも高まるため、抜歯した部分には刺激を与えないようにしましょう。

具体的には、強い力でうがいをしない、歯ブラシを当てないという点に気をつけましょう。

血行が良くなる行動を控える

血行が良くなると、抜歯した部分から出血しやすくなります。そのため、激しい運動や入浴などの血行が良くなる行動は避けましょう。また、飲酒も血行が良くなるため、歯科医師が許可するまでは控えてください。

喫煙を控える

喫煙をすると血液の流れが悪くなります。これによって免疫力が低下すると、抜歯後の傷口から細菌感染を起こしたり、傷口の治りが遅くなったりするリスクが高まります。そのため、抜歯をしてから1週間程度は喫煙を控えましょう。

食事に注意する

抜歯後、食事をするときにも注意しなければならないことがあります。抜歯後、食事をするときは麻酔が切れてからにしてください。麻酔が効いた状態で食事をすると、火傷をしたり、舌や頬を噛んだりする可能性があるためです。

また、抜歯後はできるだけ柔らかいものを食べましょう。硬い食べ物を抜歯した箇所で噛むと、刺激で出血したり傷口が開いたりする可能性があるためです。うどんやスープ、ゼリー、アイスクリームなどの噛まないで食べられるものがよいでしょう。

虫歯を抜歯したあと治療方法

虫歯の抜歯後インプラント治療をしている様子

虫歯を抜歯したあとは、前述したように補綴治療をして歯を補います。歯を補う治療法には、次のようなものがあります。

インプラント

インプラントとは、インプラント体と呼ばれる人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付けて歯を補う治療法です。

顎の骨に人工歯根を埋め込むため、ズレることなくしっかり噛めるようになります。また、人工歯部分にはセラミックやジルコニアなどの審美性の高い素材が使用されるため、天然の歯と同じような白く美しい見た目を再現できるのもメリットです。

インプラントの平均寿命は10〜15年程度といわれており、しっかりとメンテナンスをすれば、それ以上に使用できる場合もあります。

一方で、インプラントは自費診療のため費用が高額です。歯科医院によって異なりますが、1本あたり30万〜40万円程度かかります。さらに、後述するほかの治療法よりも治療期間が長い点もデメリットといえるでしょう。

ブリッジ

ブリッジとは、失った歯の両隣の歯を支えにし、橋を架けるように人工歯を取り付ける治療法です。両隣の歯に固定されるため、しっかり噛めるようになります。また、セラミックなどの審美性の高い素材を選択することで天然の歯のような見た目を再現できます。

一方で、欠損した歯の両隣の歯を削らなければなりません。また、ケアが難しいため、磨き残しが生じると支えとなる歯が虫歯になるリスクが高まります。

ブリッジの場合、使用する素材によっては保険が適用されます。保険適用の場合は、選択できる素材が限られますが、1本あたり2万〜3万円程度でインプラントに比べると安価です。自費診療のブリッジの費用は、選択する素材によりますが1本あたり5万~20万円程度です。

部分入れ歯

部分入れ歯とは、部分的に失った歯を補う人工歯です。残っている歯にフックを掛けて固定させます。

部分入れ歯には保険が適用されるものと自費診療のものがあります。保険が適用される部分入れ歯の費用は5,000円~1万5,000円程度とほかの治療法に比べると安いです。また、治療期間が短い点もメリットといえます。

一方で、保険が適用される部分入れ歯の場合、金属のバネが使用されます。そのため、口をあけたときに目立つ可能性があります。また、しっかりとした噛み心地が得られにくい点もデメリットといえるでしょう。

まとめ

抜歯した虫歯

虫歯が重度の状態にまで進行すると抜歯が必要になる可能性があります。抜歯が必要であるにも関わらず放置すると、炎症が広がって全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

一方で、抜歯をすることにもリスクがあり、ショック症状を起こす可能性があることや、上顎洞を損傷する可能性があることについても理解しておく必要があります。抜歯が必要と判断された際に、不安に思うことがあれば歯科医師にしっかり確認しましょう。

虫歯にお悩みの方は、東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、子育て中のママとお子様に優しいクリニックを目指して、根管治療や入れ歯治療、ホワイトニング、小児歯科などさまざまな診療を行っています。診療案内ページもぜひご覧ください。

ゆずり葉歯科

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