急速拡大装置とは?メリット・デメリットや費用と期間、注意点も解説!

2024年11月13日(水)

こんにちは。東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」です。

急速拡大装置

出っ歯や八重歯、叢生などの原因は、顎が狭く、歯が並ぶスペースが足りないことの場合が多いです。適切なタイミングで急速拡大装置を使用することで、お子さまの成長を利用しながら、効率的に歯並びを改善できるでしょう。

この記事では、急速拡大装置の特徴やメリット・デメリットについて解説します。急速拡大装置で治療する際の費用や期間についても言及していますので、ぜひ参考にしてみてください。

急速拡大装置とは

急速拡大装置

主に小児矯正で使用する、上顎を拡大するための装置を急速拡大装置といいます。第一小臼歯と第一大臼歯に装置をかけて固定し、定期的に調整することで上顎を拡大します。

子どもの不正咬合の原因の多くは、顎の骨が小さく、歯を並べるスペースが足りないことです。上顎の骨はもともと左右に分かれており、10歳前後に結合するといわれています。

成長段階の子どもの内に急速拡大装置を使用すれば、効率的に上顎全体を拡大できます。永久歯が理想的な位置に生え揃うよう促すことが可能なのです。

急速拡大装置のメリット・デメリット

急速拡大装置のメリット・デメリットイメージ

小児矯正を始める前に、急速拡大装置のメリット・デメリットを理解しておきましょう。

急速拡大装置のメリット

成長期の子どもが急速拡大装置を使用すれば、以下のメリットを得られます。

短期間で上顎の拡大ができる

急速拡大装置は、主に成長期の子どもが使用する装置です。歯を支えに顎の骨に力をかけて、上顎を拡大します。

6~10歳ごろの子どもが使用すれば、短期間で効率的に上顎を拡大できることがメリットです。

口呼吸を改善できる

急速拡大装置により上顎が拡大すると、鼻腔が広がって口呼吸が改善することがあります。口呼吸は歯並びが悪化する原因であり、感染症にかかりやすくなるなど全身にも悪影響を及ぼします。

そのため、子どもの内に口呼吸を改善することが重要です。歯並びが悪化する原因を取り除けるので、矯正治療後の歯並びを安定させる効果も期待できるでしょう。

抜歯のリスクを回避できる

上顎のスペースが足りないことが原因で歯並びが悪い場合は、抜歯を検討します。矯正治療では、虫歯になっていない健康な歯を抜くこともあるのです。

急速拡大装置により永久歯が生えるスペースを確保できれば、抜歯を回避できる可能性が高まります。つまり、お子さまの大切な歯を守ることにつながるといえます。

抜歯を回避したい場合、適切な時期に小児矯正を始めることが大切です。

二期治療を短縮できる

急速拡大装置の使用により永久歯が生えるスペースが確保されると、理想的な位置に永久歯が生えるようコントロールできます。症例によっては二期治療の期間を短縮できたり、二期治療が必要なくなったりすることもあるでしょう。

急速拡大装置のデメリット

デメリットもあるため、事前に理解しておくことが大切です。

違和感や異物感がある

急速拡大装置は固定式のため、装着した直後は違和感や異物感が出るといわれています。子どもは適応能力が高いため、使用後1週間もすれば慣れていくことが多いでしょう。

滑舌や嚥下に影響が出る

急速拡大装置に慣れるまでは、滑舌が悪くなったり、食べ物を飲み込みづらくなったりするかもしれません。装着時の違和感や異物感と同じく、1週間程度で慣れることが多いでしょう。

痛みが出やすい

お口全体に強い力がかかることにより、治療している間は痛みを感じる可能性があります。特に、急速拡大装置を調整した直後は痛みを感じやすいといわれています。

違和感や痛みは子どもにとってストレスになるため、保護者の方のサポートが欠かせません。

金属が目立つことがある

上顎に固定するため見えにくいものの、大きく口を開けると目立つことがあります。また、歯に装置を固定するため、会話時に金属が見える場合もあるでしょう。

汚れが溜まりやすい

急速拡大装置は、食事の間も取り外しできないため汚れが付着しやすいです。放置していると虫歯や歯周病の原因になるため、丁寧な歯磨きが欠かせません。

急速拡大装置の費用と期間

急速拡大装置の費用イメージ

急速拡大装置にかかる費用や期間は、お口の状態によって異なります。ここで紹介する費用や期間については、あくまでも目安程度に参考にしてください。

急速拡大装置の費用

急速拡大装置は、約3~5万円が相場といわれています。他の矯正治療を併用することも多いため、一期治療にかかる平均的な費用は約40~60万円になります。

ただし、小児矯正は自費診療になることが多いため、歯科医院ごとに費用が異なります。お口の状態によっても費用は変動するため、詳しい費用については歯科医院で相談するとよいでしょう。

急速拡大装置の期間

急速拡大装置を使用する期間は、1期治療の中の約3~6か月と短期間です。

しかし、拡大した後の顎の骨は不安定なため、すぐに装置を外して何もしないと元の状態に戻る恐れがあります。3~6か月装着した後は、顎の骨を安定させる目的で歯科医師に指示された期間装着し続けなければいけません。

また、急速拡大装置を装着するベストタイミングは、上顎のつなぎ目が塞がる10歳ごろまでといわれています。上顎の成長には個人差があるため、10歳を超えても使用できる場合があります。

急速拡大装置を使用しているときの注意点

急速拡大装置を使用しているときの注意点イメージ

急速拡大装置にはメリットもありますが、使用時の注意点もあります。

上顎にしか使用できない

急速拡大装置は、上顎にしか使用できません。下顎の拡大が必要な場合は、他の装置を使用する必要があります。

装置の管理が必要

急速拡大装置を装着しているだけでは効果を発揮しないため、定期的にねじを回して調整する必要があります。調整する頻度はお口の状態によって異なりますが、装置の管理ができなければ治療がうまくすすみません。

お子さまだけに装置を管理させず、保護者の方も協力する必要があるでしょう。

他の矯正治療が必要なケースが多い

急速拡大装置は上顎を拡大する装置のため、歯を直接移動させることはできません。歯の細かな移動が必要な場合、マウスピース矯正やワイヤー矯正などが必要になります。

しかし、永久歯を並べるスペースが確保できているため、他の矯正治療が必要になっても、治療期間を短縮できる可能性があるでしょう。

念入りな歯磨きが必要

急速拡大装置は固定式の装置のため、食べ物の汚れが溜まりやすくなります。汚れが溜まっていると虫歯や歯周病のリスクが高まるため、装置の周りはより念入りに歯磨きしましょう。

特にお子さまの場合、歯磨きが不十分になりやすいです。お子さまが歯磨きした後は、仕上げ磨きを行ってしっかり汚れを除去してください。

急速拡大装置と床矯正の違い

急速拡大装置と床矯正の違いイメージ

顎を拡大する装置には、急速拡大装置以外に床矯正というものがあります。床矯正とは、上顎・下顎を拡大するための取り外し式の装置です。

床矯正は取り外しできるため、お子さまの負担になりにくいのがメリットといえます。

ただし、装着時間を守らなければ、治療が長引くおそれがあるでしょう。急速拡大装置よりも治療期間が長くなる傾向があり、約10か月かかるのが一般的です。

急速拡大装置は固定式のため、違和感や痛みが出やすいといわれています。強い力をかけて上顎を拡大するため、約3~6か月と短期間で上顎を拡大できるのがメリットです。

急速拡大装置、床矯正それぞれの特徴や適応について詳しく知りたい場合は、歯科医院を受診して相談してみると良いでしょう。

まとめ

急速拡大装置によって口元が綺麗になった子供

小児矯正で上顎を拡大するために使用する装置を、急速拡大装置といいます。成長期の子どもが使用することで、約3~6か月という短期間で上顎を拡大できます。

永久歯を並べるスペースを確保できれば、抜歯を回避できる可能性が高まるでしょう。また、歯並びを悪くする口呼吸を改善する効果があることもメリットの1つです。

ただし、急速拡大装置は固定式のため、装着に違和感や痛みが出ることがあります。お口の状態によって適切な装置や治療法は異なるため、お子さまの歯並びにお悩みの方は一度歯科医院に相談してはいかがでしょうか。

急速拡大装置を検討されている方は、東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、子育て中のママとお子様に優しいクリニックを目指して、根管治療や入れ歯治療、ホワイトニング、小児歯科などさまざまな診療を行っています。診療案内ページもぜひご覧ください。

ゆずり葉歯科

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