子どもの八重歯が気になる!小児矯正のメリットとデメリット

2025年12月10日(水)

こんにちは。東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」です。

八重歯が気になる子ども

子どもの歯並びが気になり始めるのは、永久歯への生え変わりが進む小学生の時期が多いです。そのなかでも八重歯は、見た目に特徴がありながらも放置されやすい歯並びのひとつです。

八重歯はかわいらしさの象徴とされることもありますが、実際にはさまざまな問題の原因となることがあり、注意が必要です。特に成長段階にある子どもにとって、八重歯のまま放置することは歯の健康や発育、日常生活にも影響を及ぼす可能性があります。

今回は、小児矯正の観点から八重歯に焦点を当て、八重歯の原因や放置するリスクについて解説します。

八重歯とは

八重歯の症例写真

八重歯とは、歯が本来の位置にまっすぐ生えず、外側に飛び出して生えている状態を指します。歯が重なって生えるため、歯並びがガタガタして見えるのが特徴で、専門的には叢生(そうせい)と呼ばれる歯列不正の一種です。

日本では八重歯をかわいらしいとする文化的な捉え方も一部にあります。

しかし、実際には歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病の原因となりやすいなど、機能的・衛生的に多くの問題を抱えています。特に子どもの場合は、顎の成長や永久歯の萌出に影響を与える可能性もあるため、放置せずに注意深く観察することが重要です。

子どもが八重歯になる原因

子どもが八重歯になる原因を説明する歯科医師

子どもが八重歯になる背景には、いくつかの重要な要因が存在します。以下では、主な原因について詳しく解説していきます。

歯が生えるスペースの不足

子どもの八重歯の原因として最も多く見られるのが、歯が生えるためのスペースが十分確保されていないことです。近年の子どもは、やわらかい食事が多くなった影響で顎の発達が不十分な傾向にあり、永久歯が並ぶスペースが足りなくなるケースが増えています。

その結果、永久歯が本来の位置に生えられず、特に生える順番が遅い犬歯などが外側に飛び出して八重歯の状態になることがよくあります。このようなスペース不足は自然には改善されにくいため、成長過程での早期発見と適切な対応が求められます。

指しゃぶりや舌癖などの習慣

指しゃぶりや、舌で前歯を押す癖(舌癖)、唇を噛む癖など、子どもに多い無意識の習慣は、歯並びに大きく影響を与えることがあります。これらの癖が長期化すると、前歯が前方に押し出されたり、歯列全体にゆがみが生じたりして、最終的に八重歯の原因となることがあるのです。

遺伝的な要因

八重歯は生活習慣だけでなく、遺伝によって起こることもあります。

たとえば、顎が小さい・歯が大きいといった骨格や歯の特徴は、親から子どもへと受け継がれることがあります。このようなバランスの崩れがあると、歯が並ぶための十分なスペースが確保できず、八重歯になるリスクが高まります。

また、顎の形や歯の萌出時期なども遺伝の影響を受ける場合があり、兄弟姉妹で同じような歯並びになることも少なくありません。

遺伝的な要因が疑われる場合でも、小児矯正によって歯並びを整えることは可能です。早めに歯科医師に相談し、成長に合わせた対策を講じることが大切です。

子どもの八重歯をそのままにするリスク

八重歯をそのままにし虫歯になってしまった子ども

八重歯を個性として捉える方もいますが、放置すると将来的にさまざまなリスクが生じる可能性があります。以下にその主なリスクを解説します。

虫歯や歯周病のリスクが高まる

八重歯は歯が重なり合っているため、歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすくなります。その結果、歯垢や食べかすが溜まりやすく、虫歯や歯周病になるリスクが高まるのです。特に犬歯は重要な役割を持つ歯なので、健康な状態に保つことが非常に重要です。

噛み合わせが悪くなる

八重歯によって上下の歯の噛み合わせがずれると、食事の際にうまく咀嚼できなかったり、顎に負担がかかったりすることがあります。また、噛み合わせのズレは、全身のバランスにも関係するといわれており、姿勢の乱れや肩こり、頭痛といった症状を引き起こす可能性もあります。

正しい噛み合わせは、健康な体づくりにもつながるのです。

発音に影響を及ぼす可能性がある

八重歯など歯並びが乱れていると、舌や唇の動きが制限されることがあり、発音がはっきりしなくなることがあります。特にサ行やタ行などの発音が難しくなりやすく、話すときに聞き取りづらくなることもあります。

幼い時期は言葉を覚え、発音を習得する大切な時期です。このタイミングで歯並びの問題があると、正しい発音が身につきにくくなる恐れがあります。発音の不明瞭さから、話すことに自信を持てなくなり、人前で話すのをためらうようになるケースもあります。

見た目のコンプレックスにつながる

八重歯が目立つことで、子どもが自分の見た目にコンプレックスを抱くことがあります。

とくに思春期に近づくにつれて、友達と会話をするときや写真を撮るときなど、人の目を意識する場面が増えていきます。そのなかで歯並びが気になって、思いきり笑えなかったり、話すことをためらったりするお子さんも少なくありません。

こうした小さな悩みが積み重なることで、自信を持てなくなったり、人との関わりに消極的になったりすることもあります。歯並びを整えることは、見た目の印象を良くするだけでなく、子どもの心の成長を支える大切な手助けにもなるのです。

小児矯正で八重歯を治すメリット

小児矯正で八重歯を治すメリットイメージ

小児矯正は、成長期という柔軟な時期に歯並びや顎の成長をコントロールできるため、八重歯の治療において多くのメリットがあります。以下でそのメリットを具体的に解説します。

将来の矯正治療をスムーズに進められる

子どものうちに矯正を始めると、あごの成長をうまくコントロールできるため、永久歯が正しい位置に生えやすくなります。その結果、大人になってから本格的な矯正治療が必要になった場合でも、治療がスムーズに進み、期間や費用を抑えられる可能性があります。

成長期にしかできない治療を早めに取り入れることで、将来の負担を減らし、より自然な形で歯並びを整えられるのが小児矯正の大きなメリットです。

発音がはっきりしやすくなる

歯並びが整うと、舌や口の動きがスムーズになり、サ行やタ行などの音が発音しやすくなります。特に成長期の子どもにとって、言葉を覚え、はっきり話すことはとても大切なステップです。

歯並びが悪いと、うまく音が出せず、言い直したり聞き返されたりすることもありますが、矯正によって発音が安定することで、人と話すことに自信が持てるようになります。

見た目のコンプレックスを解消できる

歯並びが整い、八重歯が目立たなくなると、自分の笑顔に自信が持てるようになります。これまで歯を見せて笑うのをためらっていた子も、自然ににっこり笑えるようになることが多いです。

自分の見た目に自信を持てるようになると、学校生活や友達との関わりにも良い影響が生まれます。小児矯正は、見た目だけでなく、子どもの心の成長にもプラスの効果を与えてくれます。

虫歯や歯周病のリスクを軽減できる

八重歯などで歯が重なっていると、どうしても歯ブラシが届きにくく、磨き残しが生じやすくなります。

しかし、歯並びが整うと1本1本の歯がきちんと並ぶため、すみずみまで歯みがきがしやすくなります。しっかり歯を磨けるようになることで、虫歯や歯ぐきの病気を防ぐことにもつながります。

小児矯正で八重歯を治すデメリット

小児矯正で八重歯を治すデメリットイメージ

小児矯正には多くのメリットがありますが、同時に考慮すべきデメリットも存在します。ここでは代表的なデメリットをご紹介します。

費用がかかる

小児矯正は基本的に保険が適用されないため、全額自己負担になるケースがほとんどです。治療内容や装置の種類によって費用は変わりますが、数十万円ほどかかることもあります。

ただし、子どもの成長に合わせて計画的に治療を進めることで、大人になってからの本格矯正を避けられたり、費用を抑えられたりする可能性もあります。

装置が目立つことがある

矯正治療では、歯に装置をつけることが多く、話すときや笑ったときに装置が見えるのを気にする子どももいます。とくに学校や友だちとの関わりのなかで「見られたくない」「からかわれたらどうしよう」と不安になることもあるでしょう。

最近では、目立ちにくい透明な装置や、取り外しができるマウスピース型の矯正装置も選べるようになってきました。お子さまの気持ちに合わせて、できるだけ負担の少ない方法を選んであげることが大切です。

痛みや違和感が出ることがある

矯正治療を始めたばかりのときや、装置を調整したあとは、軽い痛みや違和感を覚えることがあります。ごはんが食べにくかったり、話しづらかったりすることもあるでしょう。

ただし、ほとんどの場合は数日で落ち着いてくることが多いです。保護者の方がそばで励ましたり、必要に応じて歯科医院で相談したりすることで、安心して治療を続けられるようになります。

治療期間が長くなる場合がある

小児矯正は、子どもの成長に合わせてじっくり進めていくため、どうしても時間がかかります。歯やあごの発育にあわせて段階的に治療を行うため、完了までに1年〜3年ほどかかることが一般的です。時間はかかりますが、焦らず続けることで、しっかりとした効果が期待できます。

まとめ

小児矯正で八重歯を治し笑顔を見せる子ども

八重歯は見た目の問題だけでなく、虫歯や歯周病、噛み合わせ、発音など子どもの成長にさまざまな影響を及ぼすことがあります。小児矯正は、あごの成長を活かして歯が正しい位置に並ぶように促すことができ、将来的な矯正の負担を軽くする効果も期待できます。

治療には費用や時間がかかりますが、子ども自身の健康と自信を育てる大切な選択肢です。歯並びが気になると感じたら、早めに歯科医院で相談しましょう。

小児矯正を検討されている方は、東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、子育て中のママとお子様に優しいクリニックを目指して、根管治療や入れ歯治療、ホワイトニング、小児歯科などさまざまな診療を行っています。診療案内ページもぜひご覧ください。

ゆずり葉歯科

TEL 03-6661-0070

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