なぜ虫歯は再発する?原因と予防法を解説

2025年07月23日(水)

こんにちは。東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」です。

虫歯が再発して痛みを感じる女性

虫歯の治療を受けたのに、また同じ歯が虫歯になったという経験はありませんか。意外かもしれませんが、一度治療した歯が再び虫歯になることは珍しいことではありません。2次カリエスと呼ばれ、治療済みの歯の約8割で起こる可能性があるといわれています。

本記事では、虫歯が再発する具体的な原因と、効果的な予防方法について詳しく解説します。虫歯の再発を予防するためにも、ぜひ参考にしてください。

虫歯が再発する原因

虫歯が再発する原因を紹介するイメージ

なぜ治療したにもかかわらず虫歯になるのか疑問を感じている方も少なくないかと思います。ここでは、虫歯が再発する原因について解説します。

詰め物・被せ物の経年劣化

虫歯治療では、削った部分を詰め物や被せ物で修復します。

しかし、これらの修復材料は時間の経過とともに経年劣化していきます。とくに、保険適用の銀歯やプラスチック系の材料は2〜3年程度で劣化することが少なくありません。

劣化が進むと、天然歯と詰め物・被せ物の境界部分に微細な隙間が生じます。この隙間は肉眼では見えないほど小さなものですが、虫歯菌にとっては侵入するのに十分な大きさです。隙間から侵入した細菌が繁殖することで、虫歯が再発するリスクが高まるのです。

セルフケア不足

治療後の歯は、健康な歯と比較して虫歯になりやすいでしょう。虫歯治療のために一度歯を削っているため、歯質が元の健康な歯よりも少なく、酸に対する抵抗力が低下しているのが原因です。

また、詰め物と歯の境界部分には段差ができることが多く、この部分にはプラークが蓄積しやすくなります。治療したから大丈夫と安心して、以前よりもケアを怠る方も少なくありません。

しかし、治療済みの歯こそ、より丁寧なケアが必要になります。歯磨きが不十分だと、境界部分に蓄積したプラークの中で虫歯菌が繁殖し、酸を産生して歯を溶かしていきます。

細菌の取り残し

虫歯治療において、感染した歯質を徹底的に取り除くことは治療成功の基本となります。

ただし、健全な歯の組織を可能な限り保存し歯の神経を残すために、削る範囲を最小限に抑えることもあります。このようなケースでは、ごく稀に細菌が残った状態になる可能性もあるでしょう。

複雑な形態の虫歯や、器具が到達しにくい部位については、技術的な制約により清掃が困難になることもあります。治療後の封鎖された環境下で、わずかに残留した細菌が時間の経過とともに増殖すると、歯の内部で虫歯が発生する可能性があるのです。

口腔内環境の悪化

虫歯は、口腔内の細菌バランスが崩れることで発生します。治療後も、根本的な口腔内環境が改善されていなければ、再発のリスクは高いままでしょう。唾液の分泌量の不足や口呼吸による口腔内の乾燥、糖分の過剰摂取などは、虫歯菌の活動を促進する要因となります。

なかでも、唾液には虫歯菌の活動を抑制し、歯の再石灰化を促進する重要な働きがあります。唾液の分泌が不十分だと、口腔内の自浄作用が低下し、虫歯菌が繁殖しやすい環境になるため注意が必要です。

薬の副作用や加齢、ストレスなどで唾液の分泌量が減少している場合は、虫歯の再発リスクも高くなるでしょう。

虫歯の再発が起こりやすい部分

虫歯の再発が起こりやすい部分を調べるイメージ

虫歯には、再発しやすい要注意部位が存在します。以下に、虫歯の再発が起こりやすい部分を解説します。

奥歯の噛み合わせ面

奥歯の咬合面は、虫歯の再発が起こりやすい部位のひとつです。この部分には咀嚼する際に大きな負荷がかかります。食いしばりや歯ぎしりの習慣がある方は、詰め物と天然歯の境目部分に亀裂が入りやすく、そこから細菌が侵入するリスクが高くなるでしょう。

また、奥歯の溝は複雑な形状をしているため、治療時に完全に虫歯を除去することが困難な場合があります。残った虫歯菌が詰め物の下で繁殖し、数年後に大きな状態の虫歯として発見されることも珍しくありません。治療後は、定期的なチェックが特に重要となるでしょう。

歯と歯の間

歯と歯の間は虫歯治療後も、再発のリスクが高い部位です。もともと歯ブラシでの清掃が困難で、フロスや歯間ブラシを使用しないと十分に清掃ができません。食べカスやプラークが蓄積しやすいため、虫歯になるリスクが高まるのです。

さらに、歯間部の虫歯治療は技術的に難しい治療となります。歯と歯の間の詰め物と天然歯との適合が悪いと細菌が侵入し、虫歯が広がるケースも少なくありません。歯間部の治療後は、デンタルフロスや歯間ブラシを使用してケアを行うことが不可欠です。

歯と歯茎の境目

歯と歯茎の境目は、年齢とともに歯茎が下がることで露出しやすくなります。この部分は、エナメル質が存在せず象牙質と呼ばれる組織のみになります。象牙質はエナメル質より柔らかく、酸に対する抵抗力が低いため虫歯になりやすい特徴があります。

歯茎の炎症や退縮により、詰め物と歯と歯茎の境目との間に隙間や段差が生じると、細菌が侵入し、歯の根元に沿って虫歯が広がることも少なくありません。また、この部分には歯ブラシが届きにくく、清掃不良になりやすいことも再発の要因となります。

神経を除去した歯

神経を除去した歯も、虫歯の再発リスクが高いです。神経がないため、虫歯が進行しても痛みを感じることがなく発見が遅れがちになります。被せ物の下で虫歯が進行している場合、気づいたときには歯の大部分が失われているケースも多いです。

また、神経を除去した歯は、栄養供給が断たれるため、もろく亀裂が入りやすくなります。この亀裂から細菌が侵入し、根の先端で感染を起こすリスクもあります。また、根管治療が不十分だと根管内に残存した細菌が活動して虫歯や炎症が起こることもあるため注意が必要です。

虫歯の再発を防ぐためには

虫歯の再発を防ぐためにセルフケアを大切にするイメージ

虫歯の再発はご自身の意識で予防することが可能です。以下に、虫歯の再発を防ぐ方法を解説します。

しっかりとセルフケアを行う

虫歯の再発予防において、毎日のセルフケアはもっとも重要になります。治療済みの歯は、健康な歯よりも虫歯リスクが高いため丁寧なケアが必要でしょう。

歯磨きは1日3回・1回につき5分ほどを目安におこなうことが推奨されています。とくに、詰め物と天然歯の境目部分には汚れが残りやすいため、時間をかけて丁寧に清掃しましょう。

フッ素を活用する

フッ素入りの歯磨き粉の使用も重要です。フッ素には歯の再石灰化を促進し、虫歯菌の活動を抑制する効果があります。歯磨き後はフッ素の効果を得るためにも軽くゆすぐ程度にとどめ、フッ素を口腔内に残存させることがポイントになります。

補助清掃用具を活用する

歯ブラシだけでは落としきれない歯間に付着した汚れを除去するために、デンタルフロスや歯間ブラシを使用するのも効果的です。特に、治療済みの歯間部では、これらの補助清掃用具の使用が不可欠となります。

デンタルフロスは毎日使用し、歯間ブラシは歯間の大きさに適したサイズを選択することが重要です。

なお、歯間ブラシにはいくつかサイズがあるため、ご自身の歯間に合ったものを選択して使用することがポイントになります。サイズの選択に不安がある方は、歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。

定期的に歯科検診を受ける

虫歯の再発を防ぐためには、定期的に歯科検診を受けることも大切です。定期検診ではプロフェッショナルクリーニングが行われます。

専用の器具を使用した歯科衛生士による清掃により、セルフケアでは除去できないプラークや歯石を完全に取り除くことができれば、虫歯の再発予防につながるでしょう。

また、ブラッシング指導が行われることもあります。磨き残しが多い部分の磨き方を練習して、清潔な口内環境を保てるようになれば、虫歯の再発を防ぐことができます。

なお、虫歯が再発しても、初期段階では自覚症状がないケースが多いです。定期的に歯科検診を受けていれば、虫歯が再発していても早期に発見できるでしょう。

生活習慣を見直す

虫歯の再発を予防するためには、生活習慣の改善も重要です。

糖分の摂取頻度を減らし、間食の回数を制限することで、口腔内が酸性に傾く時間を短縮できます。喫煙や飲酒を控えることも、口腔内環境の改善には有効です。ストレス管理も唾液分泌に影響するため、ストレスをためない生活を心がけましょう。

質の高い治療材料を選択する

虫歯の再発を予防するためには、治療時の材料選択も重要です。保険適用の材料は最低限の機能を回復させることを目的としているため適合性や耐久性に劣ります。

セラミックなどの自費治療の材料を選択することで、高い適合性と耐久性を得ることができるでしょう。歯との接着性が高く経年劣化も少ないため、長期的な再発予防効果が期待できます。

まとめ

セルフケアと定期検診で虫歯を予防する女性

詰め物の劣化やセルフケア不足などによって虫歯が再発することがあります。虫歯の再発は決して珍しいことではありませんが、正しい知識と対策により予防することが可能です。

特に奥歯の咬合面・歯間部・歯頚部・神経を除去した歯は再発リスクが高いため、重点的なケアが必要です。毎日丁寧にセルフケアを行うこと、定期的に歯科検診を受けること、生活習慣を改善することで、虫歯の再発を防ぐことができます。

虫歯が再発していないか気になる方は、歯科医院を受診して確認してもらいましょう。

虫歯にお悩みの方は、東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、子育て中のママとお子様に優しいクリニックを目指して、根管治療や入れ歯治療、ホワイトニング、小児歯科などさまざまな診療を行っています。診療案内ページもぜひご覧ください。

ゆずり葉歯科

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