プレオルソの対象年齢と治療開始のベストタイミングを徹底解説
こんにちは。東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」です。

お子さまの歯並びや噛み合わせが気になるけれど「いつから矯正治療を始めればいいのだろう」と悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。特に成長期に適切なタイミングで矯正を始められないと、将来的な歯並びや健康に影響が及ぶ可能性もあります。
小児矯正で使用される矯正装置にはさまざまな種類があり、プレオルソもそのひとつです。プレオルソにも対象となる年齢があるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
この記事では、プレオルソとは何か、対象年齢は何歳からか解説します。小児矯正やプレオルソでの治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
プレオルソとは

プレオルソは、成長期の子どもを対象としたマウスピース型の矯正装置です。
プレオルソは、歯を直接動かすのではなく、口腔周囲筋(舌・唇・頬など)のバランスを整えることで、歯列や顎の成長を正しい方向へ導き、歯並びの乱れを予防します。やわらかい素材でできており、日中1時間と就寝時に装着することで、顎の発育をサポートします。
固定式の装置とは異なり、食事や歯磨きのときに外せるため衛生的で、虫歯になるリスクが低い点も魅力です。
作用のメカニズム
プレオルソを装着すると、装置の形状により舌が自然に正しい位置に収まるよう促されます。また、口唇閉鎖力を育てることで、口呼吸の習慣を改善し、鼻呼吸への移行を促します。
このような口腔周囲の筋肉のバランスが整うことで、顎の発育が促され、永久歯が正しく並ぶためのスペースが確保されやすくなるのです。
プレオルソの適応年齢と開始時期を見極めるポイント

プレオルソを使用した治療はいつ頃から開始するのが良いのでしょうか。ここでは、適応年齢と開始時期を見極めるポイントについて解説します。
プレオルソの適応年齢
プレオルソは、乳歯と永久歯が混在する5〜10歳頃の混合歯列期が適応年齢です。そのなかでも、特に6歳〜8歳頃の永久歯が生え揃う前に始めることで、歯が正しい位置に生えるための土台づくりに役立ちます。
この時期に顎の成長をサポートし、舌や口周りの筋肉のバランスを整えることで、永久歯を自然に誘導しやすくなると考えられています。
ただし、単に年齢だけで判断するのではなく、指しゃぶりや口呼吸などの癖、顎の発育状況、歯並びの状態などを考慮することが大切です。
適応年齢を超えた場合
プレオルソは成長期のお子さま向けに設計されているため、永久歯が生え揃ったあとや顎の成長が止まったあとは、期待する効果が得られない場合があります。その場合は、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの別の治療法が適応となるケースが多いです。
プレオルソで治療できる歯並びの種類

プレオルソは以下のようなさまざまな歯並びの問題に用いられています。
受け口
受け口は、下の前歯が上の前歯より前に出ている状態を指します。プレオルソは口周りの筋肉のバランスを整えることで、上下の顎の成長をサポートし、受け口の改善を目指します。
ただし、骨格的な要因が強い場合や、年齢が高くなると効果が限定的になることがあるため、早めの相談が重要です。
出っ歯
出っ歯は、上の前歯が前方に突出している状態です。口呼吸や舌の癖などが原因で起きる軽度から中等度の出っ歯に対して、筋機能訓練を兼ねて使用します。成長期に適切なタイミングで始めることで、顎の発育を促し、改善が期待されます。
開咬・叢生
前歯が噛み合わない開咬や、歯が重なり合う叢生などにも対応できることがあります。特に、指しゃぶりや舌の癖などが原因となる場合、プレオルソによる筋機能訓練が有効です。
ただし、歯並びや顎の状態によって適応が異なるため、歯科医師による診断が不可欠です。
治療の流れと期間の目安

治療はまず歯科医院でのカウンセリングから始まります。お子さまの歯並びや噛み合わせ、年齢や成長段階を確認します。
次に、プレオルソの使い方を説明し、家庭での装着方法と注意点を指導します。あわせて、MFT(舌・唇・頬の筋肉を鍛えるトレーニング)も行われます。その後は歯科医師の指示に従って通院し、装着状況や筋機能の確認を行います。
治療期間には個人差がありますが、一般的には1年から2年程度が目安で、治療開始年齢が早いほど、成長を利用した効果が期待できます。
プレオルソ治療のメリットとデメリット

プレオルソの大きなメリットのひとつは、永久歯が正しい位置に並ぶための土台を整えられる点です。また、取り外せるので口の中を清潔に保ちやすいことや、日常生活への支障が少ない点も魅力です。
一方で、プレオルソは患者さん自身での装着管理が必要です。装置を決められた時間装着できない場合は十分な治療効果が得られないことがあります。
また、適応年齢が限定されており、永久歯が生え揃ったあとや成人の矯正には適さない場合があります。さらに、すべての歯並びや噛み合わせの問題に対応できるわけではなく、症状によっては他の矯正方法が推奨されることもあります。
プレオルソ治療にかかる費用と保険適用の有無

治療にかかる費用や健康保険の適用の有無について説明します。
費用の目安と内訳
プレオルソを使用した治療にかかる費用は、歯科医院や地域によって異なりますが、一般的には装置代が5万〜10万円程度、定期的な診察・調整料が1回あたり3,000円〜5,000円程度でしょう。
治療期間や通院回数によって総額は変動するので、事前に歯科医院で費用の内訳や支払い方法について確認することが大切です。
保険適用の条件
プレオルソを使用した治療は、基本的に健康保険適用外の自由診療です。
ただし、顎の発育に関する重度の異常や特定の疾患が認められる場合には、保険が適用されるケースもあります。保険適用の条件は厳格であり、歯科医師の診断が必要となるため、詳細は必ず歯科医院で確認してください。
プレオルソ治療を検討する際のポイント

プレオルソ治療を検討する際には、年齢や症状に応じた適切な判断が重要です。ここでは、治療を始める前に知っておきたいポイントについて詳しく解説します。
治療前に確認すべきこと
プレオルソは成長期のお子さまに使用される矯正装置ですが、開始時期や適応年齢には個人差があります。歯や顎の発育状況によって最適なタイミングは異なるため、まずは歯科医師による詳しい診査を受けましょう。
また、装置は日常的に使用する必要があるため、ご家庭での装着が無理なく続けられるかどうかも確認しておくことが大切です。治療方針や目的をしっかり理解し、ご家族で納得したうえで進めるようにしましょう。
プレオルソが適さないケース
すべてのお子さまにプレオルソが適しているわけではなく、以下のようなケースでは、他の矯正方法が検討されることがあります。
- 永久歯がほぼ生え揃っている
- 骨格的な問題が大きい
- 装置の管理が難しいと予想される
歯科医院選びのポイント
プレオルソ治療を受ける際には、矯正治療の経験が豊富な歯科医院を選ぶことが重要です。専門的な知識と経験を持つ歯科医師のもとで、定期的な経過観察やアフターケアを受けることで、より安全に治療を進めることができます。
また、治療内容や費用、通院頻度についても事前に十分な説明を受け、不明点は必ず質問しましょう。信頼できる歯科医院で納得のいく治療を受けることが、安心につながります。
プレオルソ治療中の注意点

プレオルソ治療中に注意すべきポイントをまとめました。
装着時間を守る
プレオルソは、毎日日中1時間と就寝時に装着する必要があります。装着時間を守ることが治療効果を高めるポイントです。毎日無理なく続けるためには、保護者の方のサポートが必要といえます。
トレーニングを継続する
プレオルソ治療では、装置の使用だけでなく、口周りの筋肉や舌の位置を整えるトレーニングも重要な役割を果たします。これらを継続することで、より安定した歯並びや噛み合わせの維持が期待できます。
まとめ

プレオルソは口腔周囲筋のバランスを整えることで歯列や顎の成長を正しい方向へ導き、歯並びの乱れを予防する装置です。
主に5歳〜10歳頃の子どもが対象とされており、乳歯と永久歯が混在する時期に始めるのが望ましいとされています。
出っ歯や受け口、開咬など幅広い歯並びに対応できますが、計画どおりに治療を進めるためには、装置の継続的な装着や定期的な通院が必要です。費用や保険適用の有無、治療中の注意点についても事前に確認しておきましょう。
小児矯正を検討されている方は、東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」にお気軽にご相談ください。
当院は、子育て中のママとお子様に優しいクリニックを目指して、根管治療や入れ歯治療、ホワイトニング、小児歯科などさまざまな診療を行っています。診療案内ページもぜひご覧ください。