喫煙者は要注意?喫煙と歯周病の深い関係!

2025年07月16日(水)

こんにちは。東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」です。

歯周病を気にして鏡を見る男性

喫煙が健康に悪影響を与えることは一般的によく知られていますが、歯ぐきや歯にも深刻なダメージを与えることをご存じでしょうか。なかでも注意が必要なのが、歯周病との関係です。

歯周病は、歯を支える骨や組織が破壊される病気であり、放置すれば歯を失う原因にもなります。

この記事では、喫煙が歯周病に与える影響やメカニズム、予防のためにできることを詳しく解説します。

歯周病とは

歯周病のイメージ

歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨などの組織が細菌によって炎症を起こし、徐々に破壊されていく病気です。初期段階ではほとんど自覚症状がないことが多く、気づかないうちに進行しているケースも多いです。

放置すると歯がぐらつき、最終的には抜ける恐れがあるため、早めの対処が非常に重要です。

歯周病の原因と発症のメカニズム

歯周病の主な原因は、プラークと呼ばれる細菌の塊です。プラークは食べかすや唾液中の成分に細菌が付着して形成され、特に歯と歯ぐきの境目にたまりやすくなります。このプラーク内の細菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、進行すると歯を支えている骨にも影響を与えます。

さらに、プラークが除去されずに硬化すると歯石となり、ブラッシングでは取り除けなくなるため、専門的なクリーニングが必要になります。

歯周病は全身の健康にも影響を及ぼす

近年では、歯周病が口腔内だけでなく全身の健康にも関係することがわかってきました。歯周病菌が血流を通じて体内に入り込むことで、糖尿病や心疾患、誤嚥性肺炎などのリスクを高めると考えられています。

特に、高齢者や持病を抱えている方は、歯周病の予防や管理が生活の質を保つうえでも重要となります。

喫煙と歯周病の関係

喫煙のイメージ

喫煙が歯周病に与える影響は非常に大きく、喫煙者は非喫煙者と比べて歯周病の発症・進行リスクが高いとされています。たばこに含まれる有害物質は、口腔内環境にさまざまな悪影響を及ぼし、知らず知らずのうちに歯周病を悪化させる要因となるのです。

ここでは、喫煙が歯周組織にどのような影響を与えるのかを解説します。

血流の低下により歯ぐきの修復力が落ちる

たばこに含まれるニコチンには、血管を収縮させる作用があります。この働きにより、歯ぐきの血流が低下し、酸素や栄養素が十分に届かなくなります。すると、歯ぐきの新陳代謝が鈍くなり、細菌に対する抵抗力が弱まります。

さらに、傷ついた組織の修復スピードも遅くなり、炎症が治まりにくくなるのが特徴です。これにより、喫煙者の歯周病は治りにくく、再発しやすいとされています。

炎症のサインに気づきにくくなる

通常、歯周病が進行すると歯ぐきの出血や腫れといった症状が現れますが、喫煙者の場合はそれらのサインが目立ちにくくなることがあります。これは、たばこの影響で毛細血管が収縮し、出血しにくくなるためです。

一見健康に見える歯ぐきでも内部で炎症が進行していることがあるため、本人が異常に気づかず、重症化するまで放置されやすいというリスクがあります。

免疫機能の低下と細菌の繁殖

喫煙は免疫細胞の働きも鈍らせます。たとえば、白血球の一種である好中球の機能が低下すると、歯周病菌に対する防御力が下がり、感染が広がりやすくなります。

また、たばこの煙に含まれる有害物質が唾液の分泌量を減らし、口腔内の自浄作用が弱くなることで、歯周病菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。これらの要因が重なり、喫煙者は歯周病の進行が早くなる傾向があります。

歯周病治療の効果が出にくい

歯周病の治療では、歯石除去や歯ぐきの状態改善などを目的とした処置が行われますが、喫煙者は治療効果が得られにくいことが知られています。前述の通り、血流の低下や免疫力の低下が回復を妨げるため、非喫煙者と同じ処置を行っても治癒に差が出るのです。

喫煙は歯を失うリスクを高める

歯周病の最終段階では、歯を支える骨が吸収され、歯が動揺しやすくなります。喫煙によって歯周病が重症化しやすくなるということは、それだけ歯を失うリスクも高まるということです。

実際に、喫煙者は中高年以降に歯を失う割合が高く、歯の喪失が食生活や生活の質に与える影響も小さくありません。

禁煙すれば歯周病は治る?

禁煙のイメージ

禁煙は歯周病の進行を食い止め、治療効果を高めるために非常に重要な要素です。たばこをやめることで血流が改善され、歯ぐきの修復力や免疫機能も回復しやすくなります。そのため、歯科医師による処置の効果が出やすくなり、歯周病の改善が期待できます。

ただし、すでに失われた歯槽骨や歯ぐきの組織が自然に元に戻ることは基本的にありません。禁煙は早い段階で行うことが大切です。歯の健康を守るには、禁煙とともに継続的なケアが欠かせません。

歯周病を予防するために禁煙以外で重要なこと

歯周病を予防するために歯磨きをする男性

歯周病の予防には禁煙が大きな効果をもたらしますが、それだけで十分とは言えません。日々の生活習慣や口腔ケアの質が歯ぐきの健康を大きく左右します。歯周病は気づかぬうちに進行することもあるため、総合的な対策が欠かせません。

ここでは、禁煙に加えて意識しておきたい歯周病予防のポイントを解説します。

正しいブラッシングを継続する

最も効果的な予防法が日々のブラッシングです。プラークは歯周病の主な原因であり、これを毎日の歯みがきで確実に除去することが大切です。

ただし、磨き方に問題があると十分な効果が得られないことがあります。力を入れすぎず、毛先を歯と歯ぐきの境目にあてて丁寧に磨くことがポイントです。歯科医院でブラッシング指導を受けると、より効果的なセルフケアが可能になります。

デンタルフロスや歯間ブラシを併用する

歯ブラシだけでは落としきれない汚れが、歯と歯の間や歯ぐきの奥に残ることがあります。これらの部位はプラークが溜まりやすく、歯周病が発症しやすいポイントでもあります。

デンタルフロスや歯間ブラシを日常的に取り入れることで、磨き残しを防いでより高い予防効果が期待できます。特に、歯と歯の隙間が広い場合や、ブリッジなど補綴物がある場合は歯間清掃器具の使用が不可欠です。

定期的に歯科医院で検診を受ける

自覚症状が乏しい歯周病は、自己判断では見逃してしまうことがあります。そのため、定期的に歯科医院で専門的な検診を受けることが大切です。歯ぐきの状態や歯周ポケットの深さ、出血の有無などをチェックすることで、問題の早期発見が可能となります。

歯周病の初期段階であれば、専門的なクリーニングや生活習慣の見直しによって進行を食い止めることができます。

食生活の改善

食事内容も歯ぐきの健康に大きな影響を与えます。糖分の多い食事や間食が多い生活は、細菌の繁殖を促進しやすくなります。

一方、よく噛む習慣や、野菜・果物など栄養バランスの取れた食事は、唾液の分泌を促し、口腔内の自浄作用を高める効果があります。また、ビタミンCは歯ぐきの血管や結合組織を健やかに保つため、積極的に取り入れたい栄養素です。

日々の食生活の見直しは、歯周病の予防にもつながります。

ストレスや睡眠不足への配慮

あまり意識されないことですが、ストレスや睡眠不足も歯周病に影響を与える可能性があります。過度なストレスは免疫力を低下させ、歯周病菌に対する抵抗力を弱めます。

また、睡眠が不足すると、体全体の回復力が落ち、炎症の治りが悪くなることがあります。心身の健康を保つことは、結果として口腔内の健康にもつながります。

まとめ

笑顔でリラックスする夫婦

喫煙は歯周病の発症や進行を大きく後押しし、治療の効果までも妨げる深刻なリスク要因です。出血や腫れといった初期症状が出にくいため、気づいたときには重症化していることも少なくありません。

喫煙は歯を失うリスクを高めるだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことが明らかになっています。

しかし、禁煙と適切な口腔ケアを組み合わせれば、歯周病の進行を抑え、口腔内の健康を回復させることは十分可能です。大切なのは、気づいた今から見直すことです。

自分の歯を守る第一歩として、ぜひ禁煙に踏み出し、歯科医院での定期的な検診とケアを習慣にしていきましょう。

歯周病の予防に興味がある方は、東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、子育て中のママとお子様に優しいクリニックを目指して、根管治療や入れ歯治療、ホワイトニング、小児歯科などさまざまな診療を行っています。診療案内ページもぜひご覧ください。

ゆずり葉歯科

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