床矯正とは?メリットとデメリット、治療できる歯並びについて解説!

2024年10月09日(水)

こんにちは。東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」です。

床矯正で使用する装置を持っている子供

子どもの歯並びを整える方法の一つに床矯正(しょうきょうせい)という方法があります。床矯正は、顎の成長時期である子どもが対象となる矯正治療方法で、簡単に言うと永久歯がきれいに並ぶための土台を作る治療です。

床矯正をすることで、その後の矯正治療がスムーズに進んだり、場合によっては本格的な矯正治療をせずに済んだりする可能性があります。

今回は、床矯正とはどのような矯正方法か詳しく解説します。床矯正のメリット・デメリット、治療できる歯並びについても詳しく解説しますので、小児矯正を検討されている保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

床矯正とは

床矯正で使用する装置

床矯正とは、子どもの顎の骨の成長をコントロールしながら、永久歯がきれいに並ぶための土台を作る治療です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正のように歯を直接動かすことはしません。

歯並びが悪くなる原因の一つに、顎の骨と歯の大きさのアンバランスが挙げられます。歯の大きさに対して顎が小さいと、永久歯が並ぶスペースが足りなくなるのです。床矯正では、その問題を解決するため、歯列を側方に拡大させ、永久歯が並ぶためのスペースを作ります。

骨の成長時期に行う治療で、一般的に6歳〜11歳ころまでの子どもが対象になりますが、治療開始時期は一人ひとり異なります。適切な治療開始時期を見極めるためには、早いうちから歯科医師に歯並びの相談をしておくのが良いでしょう。

床矯正のメリット・デメリット

床矯正のメリット・デメリットイメージ

どんな治療にもメリットとデメリットがあるように、床矯正にもメリット・デメリットがあります。ここでは、床矯正のメリット・デメリットについて解説します。

床矯正のメリット

床矯正には、主に次の4つのメリットがあります。

抜歯をせずに歯並びが整えられる

通常の永久歯列の矯正では、抜歯をすることがあります。永久歯が並ぶスペースが足りない場合には、抜歯をしてスペースを確保する必要があるからです。

しかし、床矯正は顎の骨の成長をコントロールしながら、永久歯を並べるスペースを確保することを目的とした治療です。床矯正で治療することで、永久歯が生えそろってから本格的な矯正治療をする場合でも、抜歯をせずに治療を進められることが多いです。

矯正装置を取り外すことができる

床矯正の装置は、取り外しが可能です。装着時間さえ守ることができれば、食事をするときや歯磨きをするときに外すことができます。装着時間は12〜14時間であることが多いです。床矯正を始める前に歯科医師にしっかり確認しておきましょう。

痛みが少ない

床矯正は子どもの骨の成長に合わせて歯列を側方に拡大する治療のため、痛みが少ないのが特徴です。矯正治療で歯にかける力と比較して、弱い力で歯列をゆっくり広げていきます。痛みが少ないため、小さなお子さんへの負担も少ないでしょう。

費用を抑えられる

ワイヤー矯正やマウスピース矯正よりも費用が安い点もメリットです。また、大人になって矯正治療が必要になった場合でも、床矯正で歯が並ぶスペースを確保しておけば治療をスムーズに進めることができ、費用を抑えることができるでしょう。

床矯正のデメリット

床矯正には多くのメリットがある一方でデメリットもあります。床矯正のデメリットは、以下のとおりです。

治療期間が長くなる可能性がある

顎の骨の成長具合により治療期間には個人差がありますが、床矯正の場合、6歳ごろから治療を開始して11歳ごろまで経過をみるのが一般的です。

床矯正ではお子さんの顎の成長をコントロールしながら治療を進めるため、成長のスピードによっては治療期間が長くなる可能性があるのです。

治療の効果が患者さんに左右される

治療の効果には個人差があります。また、床矯正の装置は取り外し可能です。そのため、お子さんが装置の装着を嫌がって外してしまうこともあるでしょう。装置を外した時間が長くなると効果が現れにくくなります。結果として治療期間が長くなる可能性もあるでしょう。

床矯正の装置の装着時間を子どもが管理するのは難しいです。装置の装着時間を守れるように保護者の方がサポートしてあげる必要があります。

歯並びの細かい調整はできない

床矯正は、歯列を側方に広げて歯をきれいに並べるためのスペースを作る治療です。歯の位置を細かく調整することはできません。歯並びの細かな調整は、永久歯が生えそろったあとにワイヤー矯正やマウスピース矯正で行うのが一般的です。

発音が不明瞭になることがある

床矯正の装置は、舌が触れる部分に位置しています。そのため、装置に慣れないうちは発音が不明瞭になることがあるでしょう。話しにくさがストレスに感じることがあるかもしれません。

しかし、子どもは適応能力が高いため、装着を続けていくうちに次第に慣れることがほとんどです。

床矯正で治療できる・できない歯並び

床矯正で治療できる症例

床矯正では、次のような歯並びの治療が可能です。

  • 叢生
  • 上顎前突(出っ歯)
  • 下顎前突(受け口)
  • 交叉咬合(クロスバイト)
  • 開咬(オープンバイト)

床矯正では、上記の歯並びの治療が可能ですが、歯の位置を細かく調整することはできません。また、重度の歯並びの乱れには対応できず、のちにほかの方法での治療が必要になる可能性があります。あくまでこれらの歯並びを改善するための初期の治療だと捉えましょう。

床矯正の費用

床矯正の費用イメージ

床矯正の費用の相場は30万円〜40万円程度です。そのほか、以下の費用がかかることがあります。

  • カウンセリング費用:無料〜1万円程度
  • 検査費用:3万円〜5万円程度
  • 定期的な調整にかかる費用:1回あたり3,000円〜5,000円程度

歯科医院によって費用の内訳は異なり、床矯正の費用にこれらの費用が含まれている場合もあります。費用のなかに含まれているもの、別途支払いが必要なものを事前に確認しておくようにしましょう。

床矯正の治療期間と流れ

床矯正の治療期間イメージ

床矯正の治療期間は歯並びや顎の成長の状態などによって異なりますが、1年半〜3年程度です。装置の装着時間を守れないと治療期間が延びる可能性があります。床矯正の治療は、以下の流れで行われます。

カウンセリング・矯正相談

歯の状態を確認して、想定される治療期間や治療方法、費用などについて説明します。治療についてわからないことや不安なことがある場合には、このときに解消できるように、歯科医師に確認しましょう。

検査・診断

口腔内状態のチェックやレントゲンなどの検査を行います。検査結果をもとに、歯科医師が治療計画を立てます。最初のカウンセリング時よりも、詳しい治療期間や費用がわかるようになります。

型取り

治療計画の説明を受け、治療をすることが決まったら、床矯正の装置を作製するための型取りを行います。

装置の装着

床矯正の装置が完成したら、歯科医師から装置の取り扱い方法などについて説明があります。歯科医師の指示通りに装置を装着しましょう。また、痛みがある場合の対処法についても事前に確認しておくのが良いでしょう。

定期検診・装置の調整

装置装着後は、1ヶ月〜2ヶ月に1回くらいの頻度で定期検診を受ける必要があります。お口の状態を確認し、必要に応じて装置の調整を行います。計画どおりに治療を進めるためにも、歯科医師の指示通りに通院しましょう。

経過観察

床矯正が終わったあとは、定期的に歯科医院を受診して、経過観察を行います。矯正中のときより受診頻度が少ないことが多いです。

まとめ

床矯正によって歯並びが綺麗になった子供

床矯正とは、子どもの顎の骨の成長をコントロールしながら永久歯がきれいに並ぶための土台を作る治療法です。床矯正で永久歯が並ぶスペースを作ることで、その後の矯正治療がスムーズに進む可能性があります。また、痛みが少ない点もメリットです。

床矯正は、適切な時期に治療を始めることが大切です。床矯正を検討している場合には、早い段階で歯科医師に相談するのが良いでしょう。

小児矯正を検討されている方は、東京都中央区日本橋にある歯医者「ゆずり葉歯科」にお気軽にご相談ください。

当院は、子育て中のママとお子様に優しいクリニックを目指して、根管治療や入れ歯治療、ホワイトニング、小児歯科などさまざまな診療を行っています。診療案内ページもぜひご覧ください。

ゆずり葉歯科

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